たくましい筋肉質の男性と、若い男の子に、身体を恥ずかしくもてあそばれる…、この経験は、マゾ女性にあこがれるうちに、なぜか男性に責められたくなった僕の体験の中でも、ひとつの頂点を極めたものでした。もし僕がマゾの女の子だったとしたら、それはもっとイヤラしくて恥ずかしい、100%満足できる経験になったかもしれません。しかし、それに限りなく近づいた幸せなひとときとして、その記憶は、僕の心の中に深く刻まれたのでした。
そのお店の広告には、一時期、”SMショーモデル募集”という文字が入っていたこともありました。自分の恥ずかしい姿をさらけだすことに快感を覚えていた僕は、だんだんと、そのモデルになってみたいと思うようになっていました。お店に行った時に聞くのは、さすがに恥ずかしく、ある日僕は、お店に電話をかけてみたのです。
電話で応対してくれたのは、もう顔なじみの、あの小太りの人でした。僕はプレイ中にはほとんどしゃべらないので、相手は僕だとは気づかなかったようです。僕がおずおずと、そのSMショーのモデルについて尋ねると、その人は、ショーの具体的な内容について、詳しく話してくれました。お客さんの前で、お尻に張り型を入れられたり、浣腸されたり、いろいろと責められて、また、お客さんに触ってもらう時間もあるということでした。誰が責めるのかと聞くと、電話の相手、つまりその小太りの人だというのです。
その説明を聞いていると、あの部屋のことが良く分かっている僕の頭の中には、自分がショーに出ている光景が、リアルに浮かんできました。裸になった僕は、小太りの人に促され、いつも責められている、あの黒いアームチェアに座ります。そして、両手両足を大きく開いて縛られて、お尻の穴もペニスも丸出しの、恥ずかしい格好にされるのでしょう。アームチェアの向こうには、もちろん服を着た数人の男性客が、僕の恥ずかしい裸の身体を凝視しています。その視線の中で僕は、ペニスをしごかれ、お尻に張り型を入れられ、浣腸され、そのままウンチをもらし、またバイブを入れられ、ロウソクを垂らされ、その上、たくさんのお客さんの手で、いやらしく身体中を触られるのです。お尻に指を入れられたり、ペニスをしごかれて射精してしまうのかもしれません。
そんな、限りなくいやらしい光景を想像して、僕のペニスは固くなっていました。あの小太りの人が責めてくれるのなら、やってみてもいいかな、と、僕は思い始めていたのです。
しかし結局、僕がそのSMショーに出ることはありませんでした。出演するには、こちらの連絡先の電話番号を明らかにする必要があったからです。やっぱりショーとなると、参加者にドタキャンされても困りますから、ある程度は、身元を明らかにする必要があったのでしょう。当時の僕には、まだ、そこまで踏み込む勇気はありませんでした。また、お客さんとして、そのSMショーを見た事もありません。ショーを見るためには、入室料以外にも、それなりの料金がかかったからです。見るぐらいなら、いっそ出演してみたい、でも…、というような気持ちでした。
ショーへの参加を、何となくためらっているうちに、僕の日常生活にも変化が起こり、そのサロンに行く事もなくなっていました。そしてある時また思い立ってその部屋を訪れると、そこはすでに閉店してしまっていたのです。
SMショーに出られなかったのが心残りではありますが、このサロンは、誰にも言えない僕の秘密の願望をかなえてくれた大切な思い出の場所として、今でも僕の心の中に生き続けているのです。
2つ目の場所 完
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