誘われた夜 1
 SMサロンのプレイルームでは、もちろんお相手と楽しむこともできますが、それ以外にも、自分の恥ずかしい姿、例えば、オナニーのシーンなどを、いろんな人たちに見てもらえるという楽しみがあります。僕も最初の頃は恥ずかしすぎて、そんな事まではできなかったのですが、通い慣れていくうちに、自分もそういうイヤらしい、変態的な行為をしてみたい、そしてそれを、たくさんの男性に見てもらいたいという欲望が高まっていきました。
 それに、思い切ってそんな事をやってみると、見られる快感を得るという以外の利点もあります。待合室で座っているだけでは、なかなかSの方に声をかけてもらえない場合もあるでしょう。しかし、一人でプレイルームに移動して、そこで自分の淫らな姿をさらけ出せば、Sの方が入ってきて、自分に興味を持ち、お相手をしてくれる場合もあるのです。
 ”プレイルームの中で、オナニーしてみたい”、そんな欲望が芽ばえてからも、しばらく実行には移せませんでした。しかしそのうち、一人でプレイルームに入って道具を見ながら、Sの方が入って来るのを待つ事、ぐらいまではできるようになっていました。やがて僕は、ロウソクオナニーを見てもらいたいと考えるようになっていったのです。
 その頃僕は、かなりイヤらしい気分になった時に、自分でアソコの毛を剃り落としていました。そして、次にSMサロンに行った時には、この姿をさらけだしたいと思っていました。今度はプレイルームに一人で入り、ツルツルのアソコでオナニーしてみよう、高ぶった気持ちの中でそう決心した時、もう一つの道具が浮かびました。それが、赤いロウソクでした。
 SMに魅了されていた僕は、いくつかの道具まで自分で買いそろえていたのですが、その中でも特にお気に入りが、赤いロウソクです。M女が白い身体に赤いロウソクを垂らされる光景、それは見た目にも印象的で、僕の中では最高級の快楽の世界でした。つまり、自分でも体験してみたいということです。
 そのSMサロンにも一応ロウソクは備えつけてあるのですが、細くて白いロウソクなので、僕にとっては快楽を得るには熱すぎて苦痛でした。そこで、使い慣れた赤いロウソクも持って行くことにしたのです。もちろんSMサロンによって決まりは違いますが、そこでは、自分の道具を持ち込むことも許されていました。
 アソコがツルツルの恥ずかしい姿で、自分の身体に赤いロウソクを垂らす…。その光景は、いつか見たM女のビデオのように、僕の頭の中にハッキリと浮かびあがりました。できれば、ツルツルのところまで、赤く染め上げたい。そして、それをジックリ見られたい…。いつも以上に興奮と緊張で胸を高ぶらせながら、僕は通い慣れたマンションのインターホンを押していたのです。
つづく
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