性の仕事師たち／早乙女宏美／河出文庫

「ヒロミのこれがＳＭだ」の著者でもある、現役ＳＭパフォーマ早乙女宏美氏が、ＳＭ雑誌に連載していた記事をまとめた本です。さまざまな性の形を、職業として表現している個性的な人物たちに、著者がインタビューしていく内容です。独特の和風ＳＭの世界を描く絵師、おんな犬専門の画家、お尻の大きいＳ女性の股間に押しつぶされるマゾ男性を好んで描くイラストレーター、拷問、責めの研究家や切腹マニア、自縛ショーの踊子たち、ホモ雑誌の編集長、ＳＭビデオの監督、それに、緊縛写真家や、緊縛師、その他さまざまな登場人物の横顔が、その世界で自らも生きてきた著者の言葉で、インタビューの写真も交えながら、リアルに書き出されていきます。この本でもやはり、濡木痴夢男の縛った女性の白黒写真が入っています。例えば、上半身をはだけられ、後ろ手にきつく縛られた女性の両乳首にタコ糸が結びつけられ、その糸は上にひっぱられて首の後ろで固定されている、という写真があります。白い日本手ぬぐいで口全体を覆うように猿ぐつわをされた女性は、引っぱられる乳首の痛みに涙を流しています。そして、今まさに落ちようとする鼻水のしずくが、鼻先に大きくふくらんでいるのです。
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