先日、濡木痴夢男先生が８３歳でこの世を去られました。濡木先生と言っても普通の方には分からないと思いますが、今までに僕が目にした書籍や雑誌などの緊縛写真、つまり、ハダカの女の人が麻縄で縛られているような写真や、さらにはビデオのほとんどでその縛りを担当された方です。という事なので、僕をこの世界に導いた恩師であり、もちろんＳＭの世界では大変な有名人です。
そもそも数十年前のＳＭ雑誌を作り始めた編集者でもあり、ＳＭやその他の小説作家であり、女性を縛る事は必要にせまられて、みたいな感じで、特に誰にも教わらずに最初から縛れたそうです。
このサイトでも濡木先生の書籍を紹介したりしていますが、縛る事だけにこだわらずに、亡くなる直前まで、常に大量の活動をしています。２回ほどお会いしましたが、会ってみると眼鏡をかけた小太りの年配の方で、高い声で良く喋る、ＳＭ業界人とは想像できないような謎の風貌の人でした。パソコンや携帯も使わず、どちらかというと古風で粋な方です。
もっとも濡木先生自身はＳＭという言葉を推奨している訳ではなく、本当の縄や羞恥の世界は常にコッソリと存在しているものだという点を、いつも表明しておられました。そういった意味で、普通の日常生活を真剣に突き詰めて考えていけば、ある一部の方には、その中に”ＳＭ的”なものが自然に入ってくるのではないかと思います。このサイトでも僕自身、ＳＭ小説やＳＭのＣＧ、そしてＳＭの実践と、さまざまな活動ジャンルを心がけていますが、全くそれは濡木先生の影響です。濡木先生、本当にお疲れさまでした。

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