羞恥心がすごく強いのに、SMを好む人がいます。これは一見、矛盾しているように思えます。しかし実は、羞恥心が強すぎるので、SMを好むのです。そのように羞恥心が強い人は、他人から見た自分というものを、いつも気にかけているために、そのことが心の負担になっています。そして本当は、そのような負担から解放されたいと思っているのです。羞恥心が強いのに、さらにSMという極限の恥ずかしさを求めたくなるのは、それによって初めて、恥ずかしさから解放されるからです。恥ずかしいと思うのが無駄なくらいの、大変な羞恥の状態におかれると、あきらめの気持ちが起こり、もはや羞恥を感じることはありません。そのとき、心の重荷が下りて、気持ちが楽になるのです。しかし、そのような激しい羞恥は、日常生活では体験できません。そのために、SMに興味を持つようになるのだと思います。
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