ただ一冊だけ、手に入れたい本があります。タイトルは伏せておきますが、僕の尊敬する作家が書いた、SM関係のすごいタイトルの本(笑)です。まだ大学生の頃、学校の書籍部で”秋の官能フェア”みたいなイベントが催されたことがあり、大学の本屋にもかかわらず、そこには各種の官能小説やエッチのマニュアルなどとともに、その本が山積みされていたのです。当然僕は、すぐにその本に引きつけられたのですが、なにしろ校内ですから、いつ知り合いに会うとも限りません。僕にSMの趣味があることは、もちろん誰にも打ち明けてなかったし、そんな激しいタイトルの本を買うのは危険すぎました。
いつか買おう買おうと思いながらも勇気がなく、そのうちそのフェアも終わって、本は片付けられていきました。その頃になると、なんとなく情熱が冷めてしまったのですが、数年後になってその記憶がよみがえり、タイトルを思い出して出版社に問い合わせたところ、その時には絶版になってしまっていたのです。
とてもショックでした。その経験があってから、僕は、本に関してだけは、欲しいと直感したものは、その時に買うようにしています。
僕は今でも、その本を探し続けています。それは、僕のSMのバイブルにもなりえた一冊なのですから。そのうちきっと手に入れて、ここで紹介したいと思っています。
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