団鬼六 白衣縄地獄

 日活ロマンポルノの一作で、官能SM小説家、団鬼六原作のSM映画です。日活ロマンポルノというのは、普通の映画会社だった日活が、映画人気の低迷とともに打開策として路線変更した、エッチな内容の映画シリーズです。それだけに、ストーリーはエッチでも本格派のスタッフが参加していて、内容がシッカリしているのが特徴です。
 本作の公開も1980年と、やや古い作品ですが、単にアダルトビデオというより、お話の流れ、ロケ地やセット、登場人物のボリュームなどが充実していて、今見ても普通の映画として楽しめて面白い作品です。
 レズの気もある看護婦(麻吹淳子”まぶきじゅんこ”)が、若い医師と結婚し豪華なマンションで暮らし始めるのですが、新婚早々ワナにはめられ、和服マダムが経営する秘密のM女クラブの奴隷にさせられます。和服マダムは彼女の元患者だったので、信頼してまんまとダマされてしまったのです。
 そこで先輩M女とともに、イヤらしいマゾ調教を受けていくのですが、一緒に調教されるM女は、今では「はぐれ刑事純情派」の同僚刑事役などで知られる岡本麗です。岡本麗が縛られアソコにメンソレータムをたっぷり塗られてから、股間にはさんだ縄を前後にしごかれる「股間しごき」という調教風景がイヤらし過ぎです。
 麻吹のほうも、緊縛、ムチ打ち、剃毛、浣腸、水平吊りでのローター責めなど、いろいろと開発された後は、岡本麗とともに、許された男女だけが参加する秘密の調教パーティーでおひろめされます。
 まず二人とも、首輪、フンドシだけの恥ずかしい姿でワンワンレズショーを演じてから、並んで逆さ吊りにされたまま、婦人たちに青竹でムチ打たれたり、男性たちには上下の口からお酒を飲まされたり、さらには恥ずかしいポーズで縛られたまま、観客たちにロウソクをポタポタ垂らされるシーンは迫力があります。
 すっかりSMの味を覚え込んだ彼女は、レズ相手の後輩看護婦を呼び出して…。
 主演女優の麻吹淳子は、この後も団鬼六原作のSM映画に次々と出演し、「二代目SMの女王」(ちなみに初代は谷ナオミです)として多くのファンを生むことになる、理知的ですらっとしたタイプの女優さんです。彼女のハード調教ぶりには目が釘づけになりました。
 この作品のDVDは、ネット書店アマゾンでも購入できます。
戻る