そうやって真紀を抱きしめ、ローターを当てているうちに、ようやく僕にも、真紀を責めるという感覚が分かってきた。僕は少しずつ大胆に、真紀の身体に刺激を加えていった。そして、真紀の身体の動き、表情、息づかい、肌が波打ち、汗ばんでくる様子、そんなものが複雑にからみ合った”責められる女体の反応”を、じっくりと味わっていたのだった。
やがて興奮した僕の頭には、別の道具が浮かんできた。それは、木製の洗濯バサミだ。ただ、これは明らかに、今までの道具とは違う。痛みを与える責め道具なのだ。会う前のメールでは、使ってみたいと言ってくれたが、僕は不安だった。自分の身体を痛めつけることを許してくれる女の子が、果たして存在するのだろうか?ドキドキしながら、僕は袋から洗濯バサミを取り出した。
「はさんでも、いい?」
真紀の目の奥を探るように見つめて、僕はたずねた。快楽に包まれた、うつろな表情で、真紀がうなずいている。僕は、真紀の白い乳房を軽くつまむと、そこに、開いた洗濯バサミを押し当てた。それはゾクゾクする瞬間だった。まるで、洗濯バサミが指先と一体になったように、真紀の肌の弾力が、指先にダイレクトに伝わってくるのだ。ゆっくりと力を抜くと、真紀の乳房に、洗濯バサミがくいこんでいった。
「痛くない?」
真紀の表情をうかがいながら、僕は思いきって手を離した。洗濯バサミはその重みで、真紀の肌を引っぱって垂れ下がっている。真紀は、じわっと襲う痛みに耐えているのだろう。しかし、ほとんど表情を変えない。もちろん、我慢できないほどの痛みなら、すぐに外すつもりだったが、真紀の様子を判断した僕は、また一つ、もう片方の乳房にも、洗濯バサミをつけてしまった。女の子の身体に洗濯バサミをつけるという異様な快楽の世界に、僕はすっかり引き込まれていたのだ。再び真紀の乳房をつまみ、洗濯バサミをはさんでみる。赤い紐でくびり出された乳房に、次々と洗濯バサミが並んでいった。真紀の乳房をくわえこんで責めたてている、いくつもの洗濯バサミ…。それは、生々しく淫らで、妖しい光を放っていた。
ここまで来ると、僕は思いきって、あるものを取り出した。二つの洗濯バサミが、タコ糸でつながったものだ。僕は真紀の両方の乳首に、それぞれ洗濯バサミをはさんでから、二つをつなぐタコ糸を、真紀の口にくわえさせた。そうすると、乳首をはさんでいる洗濯バサミを、自分で引っぱりあげる格好になるのだ。さすがに真紀は顔をゆがめて恥じらいながら、うるんだ目で僕をじっと見つめた。
「ほら、しっかりくわえて!」
声をかけると、それでも真紀は首を起こして、タコ糸をピンと引っぱろうとする。真紀の切ない気持ちが、僕の胸に痛いほど響いてきた。
赤い紐で身体を縛られ、乳房には洗濯バサミをはさまれて、さらに、二つの乳首につけられた洗濯バサミをつなぐ糸を、自分の口でくわえて引っぱっている、そんな真紀の姿を見ると、ますます僕は真紀が愛おしくなった。身体を震わせて羞恥と苦痛に耐えている真紀の頭に、吸いつけられるように手を伸ばし、髪の毛をゆっくりとなでた。この世で最も尊いものに触れた気がしていた。
つづく
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