戦車プラモの作り方

●キットについて

 戦車のプラモデルで良く目にするのは、1/35のスケールですが、最近になってそれよりも小さい、1/48スケールのシリーズが充実してきました。プラモデルメーカータミヤから出ている1/48 ミリタリーミニチュアが有名です。全長15センチ前後で作りやすく、価格も抑えられていておすすめです。模型店では1/35スケールの戦車とは少し離れた所に陳列してあるかもしれません。箱の周囲が黒っぽいのが特徴です。ただし小さい部品が多いので、ある程度の根気が必要かもしれません。

●道具について

 タミヤのプラモデルであれば、製作に必要な道具が説明書に書いてありますが、パーツを切り離すのにはプラモデル用のニッパー、細かい部品を扱うのにピンセット、切り口の仕上げなどに使うカッターなどがあれば良いでしょう。プラモデル用のニッパーとしては、タミヤの薄刃ニッパーがおすすめです。また、オルファのアートナイフが手になじみます。その他に必要な道具も、タミヤのプラモデルであれば説明書に書いてあります。例えばタミヤの1/48スケールの戦車では、ボディー上部と下部をネジ止めするため、プラスドライバーが必要な箇所があります。

●接着剤について

 タミヤセメント 流し込みタイプという、プラモデル専用のさらさらした接着剤が便利です。また、キットの説明書に書いてありますが、瞬間接着剤が必要な場合があります。

●組立てについて

 組立てが初めてであれば、説明書の通りに組立ててみるのが良いでしょう。部品はその都度、必要なものだけを切り離し、切り口はカッターなどで滑らかにします。また、部品にはパーティングラインという、金型の合わせ目に出る細いスジがついている場合がありますので、目立つ部分のパーティングラインはカッターの刃を立ててカミソリのようにそぎ落とす感じで消すと見栄えが良いです。接着する前には、ちゃんと取りつけられるか確認し、不具合があれば微妙に削ったりしてから接着します。接着は、接着する部分を合わせ、合わせた所に流し込み接着剤を少量流し込むと接着できます。流し込んだ後で力を加えると、溶けたプラスチックが押し出されて汚くなったりしますので注意して下さい。ただし、二つに分かれている砲身を接着し、接合面にできる合わせ目を消したい場合、接着面に接着剤を多めに塗り、接着してから軽く押さえ、溶け出したプラスチックで接着面が完全に埋まるようにし、乾燥してから接着面を紙ヤスリなどで整えると接合面を消す事ができます。接合面の消し方は、ガンダムのプラモデルなどで良く用いられる技術ですので、”合わせ目消し”などの言葉で検索すると良いでしょう。細かい部品の取り扱いにはピンセットを使用し、部品の取りつけ角度などは、説明書の三面図なども参考にし、水平や垂直に注意します。
 なお、慣れてきてエアブラシ塗装にも習熟してくると、全体を先に組立ててから塗装するやり方もあります。また、”ロコ組み”といい、転輪などは仮止めしておき、履帯をいったん接着してから、履帯と転輪などをまとめて取り外して塗装する方法を行っている方もいます。

●塗装について

 タミヤカラーアクリルミニ(タミヤカラーアクリルには、タミヤカラーアクリルとタミヤカラーアクリルミニがあり、ビンの大きさが違うだけです。最近ではタミヤカラーアクリルは販売されていないようです)で塗装します。必要な色の番号は説明書に書いてあります。ビンのフタをあけ、調色スティックなどで静かによくかき混ぜてから塗料皿やペーパーパレットに出し、それを筆につけて塗っていきます。乾燥しますから、塗料のビンはすぐに閉めておきます。塗り方としては、一回塗って多少のムラができても乾くまで待ち、乾いた所でもう一度塗るようにすると上手くいきます。塗料が濃い場合は、タミヤカラーアクリル専用の溶剤をスポイトで取り、塗料皿やペーパーパレットに少量垂らして薄めます。タミヤカラーアクリルが乾燥する前の筆は水で洗えます。また、塗料を霧吹きのように吹き付けて塗装するエアブラシによる塗装法もあります。この方法だと、塗装した面が均一になったり、丁寧な迷彩塗装も楽しめます。エアブラシによる塗装については、最後に紹介しているような参考書に詳しく説明してあります。

●仕上げ塗装について

 タミヤカラーアクリルよりも溶かす力が弱い、タミヤカラーエナメルという塗料があります。全体的な塗装をタミヤカラーアクリルで行ってから、仕上げの塗装をタミヤカラーエナメルで行う方法が良く行われています。仕上げ塗装には、全体的な使用感を出すウォッシング、メリハリをつけるドライブラシ、あるいは、さまざまな部分の汚れを再現したり、塗料のはがれを再現したりする技法があります。これらの作業によって、完成イメージは大きく異なってきます。

●参考書について

タミヤ1/48ミリタリーミニチュアブック (ホビージャパンMOOK 287) … 必要な工具や詳しい作り方、エアブラシ塗装や高度な技法、プロモデラーのインタビューなど、いろいろと参考になります。カタログとしても使えます。これから1/48スケールの戦車を作ってみようと思う方にはおすすめの一冊です。

オオゴシ*トモエとつくるはじめてのプラモデル講座 … はじめてプラモデルを作る方におすすめです。プラモデル製作の初歩から手ほどきしてありますので、いろいろな用語や概念が理解できます。エアブラシ塗装や、細かいテクニックなども参考になります。

戦車模型の作り方 … その名の通り、戦車模型の作り方を初歩から手ほどきしている本です。内容が詳しく、だんだん高レベルになっていく、評判が良いガイドブックです。

アーマーモデリング … 戦車模型専門の雑誌です。最新の技法や素晴らしい作例など、製作の参考になり意欲が湧く内容です。

●その他

 エアブラシ塗装やその他プラモデル製作の技法は、各種の参考書や製作サイトで紹介されています。また、それぞれの戦車の実写写真を掲載した資料集などもありますので、それを見ながらよりリアルなモデルに仕上げてみる事などもできます。

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