「だめ…、です…」
しっかりと目を閉じたまま、真紀が小さく口に出し、もじもじと両足を動かしている。僕は、真紀のおへそのあたりに手を当てて、なでるように下にはわし、パンティーの下に差し入れると、暗い茂みをまさぐった。湿っぽいその部分をだんだん下に進んだのだが、ぴったりとした布のせいで、なかなか先に進めない。興奮した僕は、真紀のお尻のほうから、パンティーをずらして脱がせていった。太もものあたりまでそれをはぎ取り、もう前には黒いかげりが見え始めても、真紀は足を動かして、それ以上下ろさせまいと抵抗する。僕はパンティーにこだわるのをやめ、あらわになった真紀の部分に、あらためて手を差し込んで、その感触を確かめてみた。
そこはすごく熱かった。ぴったりと閉じられた両ももの間に指を埋めていくと、やがて、閉じあわされた小さな唇が、僕の指先に触れてきた。その合わせ目をなぞるように動かすと、すぐにぬるぬるとしたものが、指先にからみついた。
「友達と一緒にいる時に、トイレで席を立つのさえ恥ずかしいんですよ」
真紀はそんなことを、僕に話してくれた事があった。その真紀が、今は魔法にかかったように、裸の身体を僕にゆだねきっている。赤い紐の魔力にあらためて感動しながら、僕は真紀の濡れた部分を、やさしく愛撫していった。
真紀は縛られた身体をかすかに動かし、時おり小さく吐息をあげる。真紀の身体に赤い紐がきつく食いこみ、白い肌が絞られていく。
「大丈夫、痛くない?」
心配になり声をかけると、その時だけは、真紀はハッキリと首を横に振った。気持ちいいんだ、とっても気持ちいいんだ、そう思った。真紀は目を閉じ、うっとりと、陶酔し切った表情を浮かべている。ぐらぐらと揺れる真紀の身体は抜け殻で、真紀の魂は、もうどこかに行ってしまったのではないかと、僕はそんなことまで考えて少し怖くなってきた。それに初めての縛りで、真紀の身体にどれくらい負担がかかっているかも分からない。僕は、
「そろそろほどくからね」
と声をかけると、赤い紐をほどき始めた。
まるで真紀の下着を脱がせるような気持ちになって、僕は紐をほどき終えると、そのまま自然にブラジャーも外してしまった。今は真紀のパンティーも、ヒザのほうまでずり落ちている。僕は、力の抜けた真紀の足先から、すばやくそれを抜き取ると、とうとう真紀を、生まれたままの姿にしていたのだった。
そうして真紀を縛り終えると、僕は急に、激しい疲労に襲われた。真紀はまだ、漂うような目をして、そこにぐったり座っている。僕は、
「じゃあ、ひとまず休憩しよう」
と、声をかけると、真紀をそっと横たえた。
初めて裸の女性を縛った緊張と達成感とで、僕は放心しきって真紀をながめた。真紀は穏やかな表情で目を閉じ、寝入ったように横たわっている。
心から、真紀のことを愛しく思った。