ある夜の出来事1
それは、あるSMサロンに行った時の出来事です。もう閉店時間まぎわで、他のお客さんはみんな帰ってしまい、プレイルームには僕だけが残されたことがありました。僕もその時までに、ある程度のプレイを終えた後だったのですが、なんとなくまだ満たされない気分で、帰るのをためらっていたのです。射精もしていませんでした。
とはいえ、それまでのプレイで高ぶっていた僕は、もちろん全裸の恥ずかしい格好で、床にぺたんと女の子ずわりをして、股間にバイブを当て始めました。がらんとしたプレイルームで、オナニーを始めてしまったのです。ぶーんというモーター音が、プレイルームに響き渡っていきます。そのうちに僕は、恥ずかしい格好で自分を慰めている姿を、店のマスターに見て欲しくなったのでした…。
そのサロンの場合、マスターは、お客さんの応対など店の業務にたずさわるだけで、プレイに参加することはありませんでした。しかし、それなりの経験があることはうかがえましたし、ひとりきりで、しかもこんな時間なら、もしかしたら調教してもらえるかもしれないという期待がありました。マスターは客の出入りを把握していますから、いつまでも出て来ない僕の様子を見に来るのではと思い、僕はドキドキしながらオナニーを続けたのです。
しばらくすると案の定、マスターがプレイルームに入ってきました。マスターが入ってきても、僕はいやらしい気持ちで、大きくなったペニスにバイブを当てたままです。マスターはそんな僕の様子を見ると、ちょっとあきれたような口調で、
「お前、まだ満足してないのか」
と、声をかけました。僕は、(マスターにいじめてもらいたいんです…)という切ない表情で、精一杯のアピールをしました。するとマスターは、
「ちょっと待ってろ、縛ってやるから」
と、いったん受けつけの方へ姿を消したのです。
しばらくすると、上半身裸になったマスターが、再びプレイルームに戻ってきました。そして、
「ほら、縛るぞっ!」
と、僕を立たせると、そばにあった麻縄を一本とって、僕を後ろ手に縛り始めたのです。
思った通り、マスターの縛りは正確ですばやく、うっとりするような縄の感覚が、みるみるうちに僕の上半身に広がっていきました。僕は、恥ずかしく責められると、マゾの女の子みたいな心境になってしまうのですが、この時もまた、熟練した御主人様に調教される、初々しいM女の気持ちで、感じ入った笑みを浮かべていたのです。すぐにマスターは、僕の上半身を縛り終えてしまいました。
興奮で固くなった乳首を軽くつねられ、
「お前はこんな風にきちんと縛られるのが、イイんだろ?」
と、マスターに聞かれると、僕は、恥じらいながらうなずいていたのです…。
つづく
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