目を開けると、私はソファーに寝かされていました。身体には、大きなタオルが掛けられています。二人の顔がぼんやりと見えました。
 麗子さんは、私の髪を優しくなでながら、
「合格よ。私たちのサークルに、入っていいわ」
そう、言ってくれたのです。
 すると私はなぜだか嬉しくなって、涙が急に出てきました。その様子を見ていたナツキさんに、
「この子泣いてるよ。変態なのに」
と言われると、私はさっきの行為を思い出し、また恥ずかしくなってしまったのです。
 二人に起こしてもらって、服を着せてもらいました。あいさつをして部屋を出ようとした時、
麗子さんがテーブルの引き出しを開け、うす紫の大きな封筒を取り出しました。
「これが、サークルの資料よ。パーティーは今週の土曜日だから、お昼頃に、ここに来ればいいわ。中にアンケートが入ってるから、書いておいてね」
そう言いながら、麗子さんは私に、それを手渡してくれました。そして二人に笑顔で手を振られながら、私はその部屋を後にしたのです。

 一人暮らしのアパートに帰ると、私はさっそく、その封筒を開けてみました。中には、『白ゆりクラブ会報』、という薄い冊子が入っていました。どきどきしながら私はそれを手に取ると、ページをめくっていったのです。
 そこには、私の見たこともない世界が広がっていました。まず、”マゾ奴隷調教報告”という、生々しいタイトルの告白文が目につきました。女の子が、別の女性にいやらしく調教されていくレポートと、その感想とが、詳しくつづられていました。興奮しながら読み進めていくうちに、”麗子部長”、という文字が目に飛び込んで来ました。
 この子は、あの麗子さんに、SM調教を受けたんだ…、そう気づいた時、私はまた、あのサークル部屋で経験したいやらしい出来事を思い出していました。
 その瞬間、私の頭に、ある答えが浮かんだのです。

続く
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