楽しい食事だった。昌一の横に座った真奈美は、料理を取り分けてくれたり、いろいろと昌一の世話を焼いた。三人で、じっくりと話し合ったのはこれが始めてだったのだが、忠弘の思慮に満ちた言葉と、甲斐甲斐しく尽くしてくれる真奈美のおかげで、昌一は、すっかりくつろいだ気分になっていた。
高いワインをすすめられ、真奈美に注いでもらったグラスを昌一が楽しんでいた頃、壁の柱時計が、ぼーん、ぼーん、と九時の時報を告げた。すると忠弘が、
「真奈美、そろそろ、おもてなしの時間だね」
と、真奈美に言ったのだ。
隣で座っていた真奈美は、
「はい」
と、小さく返事をすると、その場に立ち上がった。そして、自分の着ているドレスを、ゆっくりと、脱ぎ始めたのだ。
それを見た昌一は、あっけに取られた。
「な、何してるの?」
昌一の問いかけにも答えず、真奈美はただ、黙々とドレスを脱いでいく。混乱した昌一は、問いかけるように忠弘を見た。
「お父さん、これはいったい…」
忠弘は、穏やかな笑みを浮かべながら、昌一に説明した。
「なぁに、たいしたことはありませんよ。昌一君は、初めてで、驚かれたかもしれませんが…。私たちは、ここにいらっしゃるお客さんに、ちょっとしたおもてなしをしているのです」
こともなげに言う。
そのうちに、隣では真奈美がドレスを脱ぎおえ、スリップ一枚の姿になっていた。昌一の方をじっと見つめるその顔つきは、今までに見たことのないほど、可憐で、また妖しく光っている。
「全部、先生に見てもらうんだよ」
父親に優しい声でうながされると、一瞬、真奈美は恥ずかしそうな表情を浮かべたが、スリップの下端を両手でつかむと、それを上に持ち上げて、スリップを脱いでしまった。すると中から、真っ白な裸の身体があらわれたので、昌一は、あっけにとられた。真奈美は、下着をつけていなかったのだ。そこには、なんとも言えない、妖しい表情を浮かべた真奈美が、昌一に裸身をさらけだしていた。成熟しつつある乳房、きゅっとしまったウエスト、吸いつきたくなるほどの、形のいいヒップ、そして、女の部分の黒いかげり、すべてが、昌一の前にさらされていたのだ。